このブログに何を書き残しておくのかということ~挨拶に代えて~

これまで書いた記事に対して、たくさんのコメントを頂きました。なかなか返事が出来ず、申し訳ない限りです。現時点で頂戴しているコメントはすべて拝読しておりますが、返信についてはもう少々時間を頂けますと幸いです。きちんと、丁寧に答えさせて頂きます。

そもそもこのブログは自分の思ったこと、考えたことを「忘れないよう」書き殴るために作りました。非表示にして管理するつもりでいたのです。しかし、思いの丈を書き殴るうちに「他の人は同じ話題について、どのような意見を持っているのだろう」と考えるようになりました。そして、そうした意見を頂戴しながら自分の思考をより深めていきたいという思いを強くしました。

結果として「おそ松さん」の人気について書いた記事が注目を集めたことをきっかけに、多くの方々から意見をお伺いするという有難い機会を得ることができました。実は今週のアクセス数は既に10万を超えておりまして、「はてな」におけるこれらの話題への関心の高さについて驚いているところです。

「若い論客が出てくるのははてなの強み」といった主旨のブックマークコメントを頂きましたが、私が「はてな」でブログを書こうと思ったのは「となりの801ちゃん」を執筆した小島アジコさんが「はてな」でブログを書いていたから、という実に安直な理由からでした。それ以上の理由はこれといってありません。私にとって「となりの801ちゃん」は自分自身をそこに重ね合わせて読むことのできた唯一のラブストーリーです。そんな漫画を描いた小島アジコさんが「はてな」にいる。それだけの理由でのこのことやってきた私の意見に少しでも耳を傾けてくださった皆様、ありがとうございます。「なんかちょっと面白い奴出てきたじゃん」と思っていただけたのなら光栄です、本当に。

物心ついた頃からインターネットを使用して自作の小説や動画を発表するといったことを行ってきたため、二次創作や同性愛描写といった表現のあり方については恥ずかしながら鈍感になっているところ、認識の甘いところも多くございます。厳しいご指摘も頂きました。今後、インターネットの表現のあり方、ゾーニングのあり方などのテーマで物事を考えていくにあたり、こうした意見を頂くことで自身の認識の甘いところを修正していきたいと考えております。

少しだけ、私の個人的な話をします。

長らく、自分のことを同性愛者だと認識して生きてきました。3年半ほど男性と交際が続いている今となっては両性愛者であると自認せざるを得なくなりましたが。

現在交際している彼と知り合うより前は、女性しか愛することが出来ませんでした。しかし、そうした関係が長く続くことはあまりなく、高校在学中だけでも4人ほどとお付き合いがありました。その間、男性からも女性からも冷たい目で見られることが多くありました。

同性間で親密な恋愛関係を持っていることが知られてしまい、高校の修学旅行では「いやらしい目で見てくるに違いない」とクラスメイトから罵られ、大浴場に入れてもらえることができませんでした。4泊の宿泊期間の間、ずっと客室のユニットバスでしか湯浴みが出来なかったことが忘れられません。

こうした現実に存在する同性愛や同性愛者への差別という問題を無視して、同性愛の描写について考えることは難しいと考えます。誤解があってはならないので明示しておきますが、これは表現としての同性愛描写と現実の同性愛を混同して論じるということを意味しているのではありません。ただ、仮に「現実の同性愛が嫌いだから」というような理由ですべての同性愛描写を規制あるいは排除すべきだという意見が出てきたとしたら、その話題を取り扱うときには現実に存在する同性愛差別のことにも目を向ける必要があると私は考えています。

同性間での交際関係を持っていたことや、同性愛描写を含む作品群を長らく愛好してきたことから私はよく「変態」と罵られてきました。要するに、私は他人から「一般的に考えると正常とは考えられない人間」だと思われてきたらしいのです。あまりにもそのように罵られることが多かったので、ついには自分自身で「私は歪んだ思考を持つ人間なのだ」と思い込むようになっていました。今でこそ、他人からみて「正常でない」ものと思われるこの性質はどうやら私の個性といっていいものらしいということを理解しているつもりですけれども。

こういうことを明らかにすれば、再びあのかつて浴びた冷たいまなざしを向けられる可能性があります。それでも敢えてこの場所に書き残しておこうと思いました。その理由を尋ねられてもはっきりとは答えられません。ただ、そうしておこうという自分の気持ちに従うことにしたのです。

このブログには、私という一人の人間の日々の葛藤を、出来る限り精緻な形で書き留めておきます。何か少しでも感じとっていただけるものがあれば幸いです。